時計の押し買いに注意!トラブルに合わない為に

時計買取

近年、自宅を訪問し、貴金属やブランド品、そして高級腕時計などを強引に買い取る「押し買い」の被害が後を絶ちません。特定商取引法(特商法)で規制されているにも関わらず、その手口は巧妙化しています。

高額な資産価値を持つ腕時計を安全に売却するためにも、「押し買い」の危険性を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

「押し買い」とは? 悪質な業者の手口

「押し買い」とは、消費者の自宅を訪問した業者が、売るつもりのない商品や、事前に依頼していない商品まで強引に買い取ろうとする行為です。典型的な悪質業者の手口を知っておきましょう。

アポなし訪問

事前のアポイントメントなしに突然訪問し、消費者の不意を突いて交渉を始める。(特商法で原則禁止されている行為)

強引な居座り・勧誘

査定だけでも」「貴金属はありますか?」と玄関先で油断させ、一度家に上がると長時間居座り、売却を断っても「今売らないと損だ」などと威圧的な態度でしつこく迫る。

査定対象外の要求

「着物の買い取り」など事前に伝えていた品物以外に、貴金属や高級時計など、高額なブランド品を見せるようしつこく要求する。(これも特商法で禁止されている行為)

不当な安値での買取り

市場価値を知っていながら、著しく低い金額を提示し、代金を勝手に置いていったり、強引に品物を持ち去ろうとする。

クーリング・オフ制度の説明をしない

契約書面にクーリング・オフに関する記載がなかったり、制度の利用を拒否したりする。

2. トラブルに遭わないための事前対策と対処法

悪質な「押し買い」の被害から身を守るためには、事前の心構えと冷静な対処が不可欠です。

2.1. 訪問を受けないための対策

電話勧誘はきっぱり断る: 「不要品の回収」「アンケート」といった名目で電話をかけてくる業者には、話を聞かず、「結構です」「今後一切連絡しないでください」ときっぱりと断りましょう。

アポなし訪問は無視: 突然の訪問者には、インターホン越しに「依頼していません」と伝え、絶対にドアを開けたり、家に入れたりしないことが鉄則です。

玄関先で対応する: やむを得ず対応する場合は、玄関ドアチェーンをかけたまま、または玄関先のみで済ませ、絶対に自宅の奥へ誘導させないようにしましょう。

2.2. 訪問時の自己防衛策

売るつもりのない品は見せない・渡さない: 業者に「貴金属も見て欲しい」などと言われても、売却を希望しているもの以外は絶対に見せたり、手渡したりしないでください。

身分証明と許可証の提示を求める: 訪問買取業者は、古物商許可証や従業者証の携帯・提示が義務付けられています。提示を拒否したり、素性を曖昧にする業者はすぐに帰ってもらいましょう。

一人で対応しない: 可能な限り、家族や友人に同席してもらうか、難しい場合は会話を全て録音しておきましょう。録音は、トラブル時の強力な証拠となります。

相場を把握しておく: 売りたい腕時計のブランドやモデルの中古相場を事前に把握しておき、安値で買いたたかれないように備えましょう。

3. 万が一契約してしまった場合の対処法:クーリング・オフ制度

強引な勧誘に負けて契約してしまった場合でも、消費者を守るための法律があります。

3.1. クーリング・オフ制度の利用

特定商取引法により、訪問買取(訪問購入)で売買契約を結んだ場合、原則として契約書面を受け取った日を含めて8日間は、無条件で契約を解除(クーリング・オフ)することができます。

期間: 契約書面交付日(1日目)から8日以内

方法: 業者に対して**書面(ハガキや内容証明郵便)**で通知を送付します。この通知書面のコピーと郵送した記録は必ず保管しておきましょう。

効力: クーリング・オフ期間内であれば、業者が既に時計を第三者に転売してしまっていても、業者に返還を請求することができます。

引渡しの拒絶: クーリング・オフ期間内は、物品の引渡しを拒否することができます。

3.2. 専門機関への相談

押し買いの被害に遭った場合、一人で悩まず、すぐに以下の機関に相談しましょう。

消費生活センター(全国共通ダイヤル:188番):最寄りの消費生活センターにつながり、クーリング・オフの手続きや業者との交渉について具体的なアドバイスを受けられます。

警察: 業者の言動が脅迫や恐喝に該当する場合や、身の危険を感じた場合は警察に相談しましょう。

安全な取引のためには、訪問買取(出張買取)を依頼する際も、必ず複数の優良な実店舗を持つ業者を選び、事前に査定額の目安を確認することが大切です。